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院長ブログ

2022.06.17

アトピー性皮膚炎

デュピクセント

子供の重症アトピー性皮膚炎治療

ここ数年の薬剤の進歩により成人の中等症〜重症のアトピー性皮膚炎はほぼコントロールできるようになりました。

過去の外用ステロイドだけだった治療は激変し、内服や注射がメインで外用は保湿剤だけ、のような良好なコントロールができている重症患者さんも多くなってきました。

つまり成人のアトピー性皮膚炎についてはほぼ鎮圧できたのではないかと感じます。

 

ところがまだまだの分野があります。

「小児の重症アトピー性皮膚炎」

小児の重症アトピー性皮膚炎に対する治療は残念ながらここ日本ではほぼ外用しかありません。小児の重症例ではどんなに外用を強くしても皮膚炎のコントロールが十分にできない方も多くいます。また外用を強くすると今度は局所の副作用の懸念が出てきます。

重症例では外用を強くしないと治らない。強くしてもコントロールできない、強くすると局所の副作用が出てくる。副作用を恐れて弱くしたらもっとひどくなる。。今のところ小児の重症アトピー性皮膚炎治療は八方塞がりのような様相です。

 

一方アメリカでは、日本では15歳以上の使用で承認されている「デュピクセント」(注射剤)が、2017年には6歳以上の中等症以上のアトピー性皮膚炎治療に承認されています。

デュピクセントの効果は何度も書いていますが、副作用がとても少なく、安全性が高い薬でありながら、治療効果が高いという薬剤です。当院でも多くの成人重症アトピー性皮膚炎の方に使用しています。

デュピクセントの素晴らしい治療効果は成人のアトピー治療で十分にみていますので日本でも早く小児に承認にならないかな、と期待しているところですが、このデュピクセントは日本では2023年ごろに6歳以上の中等症以上のアトピー性皮膚炎に承認されることが予想されています(決定ではありません。あくまで予想です)。

国内でデュピクセントが6歳以上で使えるとなると小学生の重症アトピー性皮膚炎の患者さんが救えるようになります。僕の外来でも早くこの承認を待ち望んでいる方が何人もいます。

 

と言っていたら数日前、またすごいニュースが飛び込んできました。

アメリカのFDAが「生後6ヶ月から5歳」の中等症以上のアトピー性皮膚炎治療に「デュピクセント」を承認した、というのです。生後6ヶ月から5歳です。これで残っていたピースが全部埋まりました。

アメリカで承認されたということは将来日本でも承認される可能性が高いということです。これは我々にとっても朗報です。どうしようもなかった重症患者さんに救いの手が差し伸べられるということは本当にありがたいことです。

 

かつてはステロイドの副作用ばかりが強調され、混沌としていたアトピー性皮膚炎治療。

今やほぼ全ての人が治るんだ、という時代になってきました。

このような時代に仕事をさせていただけていることに感謝です。

 

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