今日も咲くらで

院長ブログ

2018.10.05

がんのこと

診療室から

初代・免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」の価格。命の値段とは

ノーベル賞に結びついた大発見から作成されたお薬である「免疫チェックポイント阻害薬」は

 

「オプジーボ」

 

という名前で2014年から販売されています。これまでオプジーボといえば私たちの中ではノーベル賞ではなくて「超高額で話題の薬」でした。

 

オプジーボの発売時の適応は「悪性黒色腫」だけで、発売当初の薬代はなんと一人1回約130万円でした。それを2週間に一回投与。1年で3千数百万円かかる、というものでした。

 

当時は「こんな薬を保険治療でやったら国家財政は破綻する。亡国の薬だ」と言って色々な場所で議論がなされたようです。

 

現在は適応が増え(使用患者が増え)たためここ数年で薬価が随分下げられましたがそれでも年間約1000万円の薬代がかかります。これは薬代だけの価格です。

 

日本は優しい国で、治療により個人の経済が破綻しないように1000万円も自己負担しないようにできています。高額医療費制度と言ってある一定の上限を超えると治療費が還付される仕組みになっています。

 

高額医療費制度を使うと1000万円の治療をしても自己負担はその10分の1以下で済んでしまう、ということです。

 

では自己負担分以外は誰が出してくれているのか?それは皆さんの払った税金です。

 

現在の日本は超高齢化社会を迎え、高齢の方に多いガンも増加の一方です。ガン患者が増え続けると同時にオプジーボのような高額治療が増えると予想されています。

 

また高齢者の増加と高額な新薬の登場の結果、医療費は増大し国の財政を圧迫し消費税を10%どころか20%、30%くらいにしないととても追いつかないとも危惧されています。

 

 

またこれからもこのような超高額薬は続々と出てくる予定になっています。

 

今年度中に発売されるであろう白血病の治療薬は1回5000万円にもなると予想されています。その後は眼科の薬ですが1回1億円の薬の発売も予定されているそうです。

 

一見現実味のない価格のように見えますが、病災はいつ誰に降りかかるかわかりません。もしかしたら自分が、あるいは家族がその病気になったら?

 

イギリスでは超高額薬は「高すぎる」ことを理由に公的保険から外したものもあるそうです。

 

お金さえ出せば今までは治療不能であった重い病気でもなんとか治る時代になってこようとしています。しかしその一方で高額になる治療費を誰がどう負担するのかという問題が出てきています。

 

命の値段をいくらにするのか?皆さんもぜひ議論してみてください。