今日も咲くらで

院長ブログ

2015.10.26

アトピー性皮膚炎

ステロイド

ステロイドを塗っていると象のような皮膚になる?ーウソですがな、、ステロイド伝説②。

ステロイドを塗ると皮膚が黒くなる? 

→ はい、ウソです。

これは前回書きましたね。(10/24の当院ブログ

世の中にはびこるデマを暴く第2弾。

ステロイドを塗ると皮膚が象のようになるのか?

→はい、これもデマです。

症例をお見せしながら解説いたしましょう。

さて、こちらは当院を受診されたアトピー性皮膚炎の患者さん(当時20代)です。

ステロイドフォビア(恐怖症)と言いまして、脱ステロイド療法を信じていた方です。
よってステロイド外用はしていません。

 

とてもかわいそうな状態です。

治療薬(=ステロイド)を拒絶しているために痒みのコントロールが効いていませんので、皮膚を掻きすぎて皮膚から浸出液が漏れ出ています。同時に皮膚も象のような皮膚に変化しています。

脱ステロイドの結果はまことに悲惨です。

 

これは脱ステ中の良くなる段階だから我慢すればもっと良くなるかって?

いいえ。

さらに掻き壊して皮膚から浸出液がもっと出てきて低タンパク血症となったり、ヒドイ痒みで不眠となり、うつになったりする人もいます。 

子供の場合は成長障害がきます(=脱ステをやっている子供は成長障害を起こして体が小さい子が多い)?。

→次の段階は入院ですよ。

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ではなぜ日本人はステロイドの悪口を言うのか。なぜステロイド忌避なのか?

それは80年代にさかのぼります。

テレビ朝日系ニュース番組、久米宏が司会をしていた「ニュースステーション」という番組で、丸々1週間にわたり、ステロイドの副作用の部分だけを大きく取り上げて、ステロイド=悪の薬であるという「科学的根拠のない」特集が組まれた結果、そこから日本のステロイド忌避の風潮が始まったのでした。

どの薬も副作用の部分だけを取り上げたら医者は治療なんかやっていけません。抗がん剤なんかは良い例です。

クスリの効果に関する報道には必ずその道のスペシャリストが関与すべきです。つまりこの場合、番組は皮膚科専門医の監修、アドバイスを受けるべきだったのです。

なぜならクスリには必ず良い面と悪い面があるからです。テレビを作る人間は医学的には素人です。その素人さんたちが自分達の感情や間違った正義感だけで、医学的中立を守らずに、善悪双方の面を持つクスリの報道すれば必ず悪口にしかなりません。

悲しいかなそれが80年代の日本で起こってしまったのでした。。

それから30年以上、ここ日本ではおかしなことが起こり続けています。(だいぶ減ったけどね)

この患者さんも間違った報道によるかわいそうな犠牲者の一人です。

その患者さんの親や兄弟や親戚や友達、、、「どこかで悪いって聞いたよ!ステロイドなんかずっと塗ってていいの?」とみんなでこの人を責め続けたに違いありません。

本人もやがてそんなに悪いモノを使っていたのか、と驚き、自分を責めたに違いありません。

当人あるいは周囲の人間が、間違った報道やそこから派生した世間のウワサを真に受けたおかげで、彼をヒドイ目にあわせてしまっていたのです。

それ、一体誰が責任取るん?

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以上のことを外来でお話した上で、

ステロイド外用剤を2ヶ月間「きちんと管理しながら」外用しましたところ、

2ヶ月後の状態↓

 

ツルツルで綺麗な皮膚になりました✨

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話は長くなりましたが、

ステロイドを塗ると象のような皮膚になる、というのはデマ、作り話であって、

ステロイドを忌避すると象のような皮膚になることがわかりました?。

つまり、ステロイドを塗って皮膚が象のようになるのではなくて、

脱ステロイド=皮膚が象のようになります☔。

というのが真実です。

ステロイド外用剤を「丁寧に」使うと痒みもなくなりきれいな皮膚を取り戻せることがこの例からよくわかりました。

当院ではアトピーがより良くなるための方法、ステロイド外用のプロアクティブ療法(九州大学皮膚科HPより)を取り入れています。

ほぼ完全に良くなるには1−2年ほどかかりますがアトピーを治すには良い方法です✨。

そんなに難しい方法ではございません。

頑張れば、いやそんなに頑張らなくても、皮膚は良くなります。

もっとお話を聞きたい方は当院外来まで。