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院長ブログ

2018.02.16

多合趾症

形成外科

足の爪が割れていて治らない。多合趾症かもしれません。

パソコン環境の変化のため前回のブログから10日もあいてしまいました。楽しみにしていた方すみません。

 

さて、今日のお題は「足の小指の爪が割れていて治らない」という相談です。

 

実際の写真はこういうのです。

 

足の小指の写真ですが、数字の6のところの爪が割れてしまったまま生えていますよね。

 

「足の小指の爪がずっと割れていて気になります。どうすれば治りますか?」という相談が結構あります。

 

これは爪が割れてしまった、のではなく、「多合趾症」という先天奇形の一種のことが多いです。

 

多合趾症というのは読んで字のごとく、多い指が合体している、という意味です。

 

この写真の場合、5本目と6本目(!)の指があり、それが合体しているのですね。

 

つまり爪は割れたのではなく、最初から5本目と6本目の2枚分あったわけです。6本目指の爪が写真のように小さい場合、子供のころは指のサイズが小さく気づきにくいのですが成人になりますと指のサイズも大きくなり、それに伴い爪のサイズも大きくなりますので「割れて生えてきた」ように見えてきます。

 

もしも2本が分離した状態で指が6本あったなら生まれたときに大騒ぎになっていたはず。実際に形成外科では指の数を減らすべく手術をします。しかし今回の指は数えても5本しかなかったので騒ぎにはならず成人になったわけです。

 

この多合趾症は足の小指に多発します。自分は他人より足の小指が太いな、と感じていたら多合趾症の可能性ありです。さらに爪が割れてきたらまず間違いないでしょう。

 

多合趾の多くの方は6本指ではなく、5本の状態で生まれてきますので知らず知らずのうちに成人にまで成長し、ひょんな事から発覚することがあります。

 

実際、僕の外来では水虫などの他の足の疾患で訪れた患者さん、おおよそ年間20名ほどの患者さんに対してこの事実を指摘しています。もちろんんそんな事実は本人にとっては初耳であって、とてもびっくりされます。特に年配の方は驚かれますね。

 

足の小指の爪が割れていてなんだか切りにくいなあ、と思っている方はきっとこの多合趾症かと思います。

 

対処法ですが、6枚目の爪が大きい場合は爪を切除する手術を行うこともあります。爪が小さい場合は爪を丁寧に切りましょう。

 

 

 

実は今日の写真、僕の足です。前から爪が割れていて時々布団に引っかかるな、と思っていたのですが、もしやと思い写真をとって見てみて確信しました。たしかに小指も太め。

 

僕も「多合趾症」でした。

 

おかーさーん!えらいこっちゃだよー。6本指やった、僕。笑。

 

 

 

 

 

 

 

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