今日も咲くらで

院長ブログ

2020.06.05

診療室から

新型コロナウイルスの抗体検査。

先日、巨人軍の選手がPCR陽性と診断されて騒ぎになっていました。

 

報道された経緯はと言いますと、

 

まず全員で抗体検査を受けた。

 

そうしたら一部の選手にIgG抗体があった(IgGは過去の感染を示す指標)。

 

さらにその選手は現在の感染の有無を調べるためにPCR検査を受けることになった  →  結果、陽性。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

一見普通の経過に見える方も多いかと思いますが、僕ら医師から見るとこれはいくらなんでも選手がかわいそうです。

 

抗体検査でIgGが検出されたということは通常過去の感染があったことを示すわけで常識的には現在の感染力はほぼなくなっていると考えられる状態です。

 

念のためかどうかはわかりませんが、さらにPCR検査を受けさせたなんてちょっとありえないです。誰の指示??

 

PCRはウイルスの核酸を数万〜数百万倍に増幅させて感染の有無を見る検査です。

 

ですからウイルスのかけらがちょこっとでも残っていればPCRで検出される可能性があるわけです。(他の検体からのゴミが混入しても検出されます)。

 

すでに感染が収まったことを表すIgG抗体を持っているのにさらにPCRもさせるとなるとまさに重箱の隅をつつくような無茶な検査に見えてしまいます。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

これから抗体検査が一般にも広まってくるかと思うのですが、

 

この報道のために、抗体を持っている=まだ感染する可能性がある、という間違った図式で世間に伝わることを危惧しています。

 

抗体を持っている=過去の感染 であって、もう感染力はほぼない、というのが正しい考え方です。

 

この件で抗体を持っているゆえにさらにPCRしなければいけない、などと間違った考えが増えなければいいなと思います。

 

さて、その抗体検査ですが、咲くらクリニックでも限定数ですが始めます。

 

ちなみに僕は今日やりました。

 

 

結果、抗体は持ってませんでした(過去にかかってない)。

 

希望の方には20名限定で抗体検査を行います。ご希望の方は外来まで。

 

よろしくお願いします。

 

 

 

 

  • カテゴリー