院長ブログ

FGF注射は危険です|トラブルになっても治療法がないので注意

FGF注射は危険です|トラブルになっても治療法がないので注意

ずっと昔にブログでも書いたことがあるのですが、FGF注射の危険性についてお話ししたいと思います。  

知り合いの人から「目の下のくぼみにFGF注射は効くの?」と質問がありましたのでまた書くことにしました。  

調べてみると一部の美容外科ではFGFを目の下等のくぼみに注射しているそうです。  

FGFとは

FGFとは何か?

Fibroblast Growth Factor(線維芽細胞増殖因子)の略です。

線維芽細胞はコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった真皮(皮膚の厚い部分)の成分を作り出す働きがあります。

FGFは組織内の線維芽細胞を増殖させ、コラーゲンやエラスチンを作り出すように働きます。  

FGF製剤は日本では2001年より発売されており、深い潰瘍(きず)や褥瘡の治療に使われている非常に有用な物質です。

これはそもそも注射するものではなく、「傷の表面に振りかける」薬剤です。

ところが一部の美容外科等ではこのFGFを皮膚皮下に「注射して」、肌を再生する、目の下のくぼみを改善するなどとうたっています。

確かにFGFの作用はコラーゲンやエラスチンなど組織の増大ですので、くぼんだ目の下などにはなんだか効きそうなのですが、正常な組織にFGFを注射すると時々正常範囲を超えて組織が増殖してしまうことがあります。

この反応は数ヶ月で起こることもあれば数年で起きることもあります。

そう、FGF注射では確かに組織が増大しますが、ちょうど良いくらいに増大するとは限らないのです。

FGF注射後のトラブルには「治療法がない」

僕が過去に診察したFGF注射後のトラブル例では注射した部分が全部膨らんでいてボコボコしていました。

これが異物なら除去します、と言えるのですが、FGFで増大したボコボコの組織は「自分の正常組織」ですので取りようにも取れません。

FGF注射後のトラブルは「治療法がない」のが厄介なのです。

FGF注射の被害者とも言える方は数多くいらっしゃるかと思いますがほぼ泣き寝入りの状態かと思われます。

同意書にサインしてしまってからでは遅い。

リスクを知っていて自分の選択でやった、ということになってしまいますから。

危険なFGF注射、学会等から働きかけて全面的に禁止していただけないかと思っています。

困ったらまずここへ。⇒ 国民生活センター 

まとめ

皮膚に関するお悩みなら、ぜひ当クリニックまでご相談ください。

最近はインスタへの投稿の方が多いので、こちらもぜひご覧ください。

タグ一覧
全て表示する
icon
料金を調べる
icon
予約する
完全予約制