院長ブログ

顔の赤みの原因は?“見た目だけ”で判断しない、正しい診断が改善への一歩

2025.12.20

顔の赤みの原因は?“見た目だけ”で判断しない、正しい診断が改善への一歩

※画像提供:NERO DR.BEAUTY

顔の赤みをきっかけに皮膚科を受診し、酒さ(しゅさ)と診断された方は少なくありません。しかし、赤みの原因は酒さだけではなく、アトピー性皮膚炎やニキビ、さらには毛細血管の状態など、多岐にわたります。

見た目だけで判断すると、誤診や治療の方向性にズレが生じてしまい、なかなか改善につながらないこともあります。

そこで咲くらクリニックでは、まず赤みの原因を正確に見極めることを重視。原因に合わせた段階的な治療を行うことで、確実性の高いアプローチを可能にしています。

今回は、赤みの原因として多く見られる酒さや毛細血管拡張症など、代表的なケースを整理しながら解説していきます。


そもそも「酒さ」って何?顔の赤み症状を含む大まかな分類

顔の赤みは見た目の悩みだけでなく、ほてりやかゆみ、メイクで隠せないストレスなど、日常生活や気持ちにも大きく影響します。どうにかしたいと受診を検討している方も少なくないでしょう。

ただし、一言で赤みといっても原因はさまざまです。実際には酒さと診断されるケースが多いものの、それだけで片付けられる症状ではありません。まずは顔の赤みを大きく分類して整理してみましょう。

顔の赤み=酒さとは限らない!まずは正しい見極めを

※画像提供:NERO DR.BEAUTY

顔の赤みは酒さと診断されることが多いですが、酒さとは顔の中心部(頬・鼻・額・あご)に赤みや毛細血管の拡張が現れる慢性的な皮膚疾患であり、赤み=酒さという訳ではありません

「赤み=酒さ」「赤み=レーザー治療」といった単純な判断で治療が進められるケースは少なくありません。

その結果、誤診ではないものの、治療方針がズレてしまいなかなか改善されない患者も多くいるといいます。

さらに、日本では酒さを根本的に治す薬剤の選択肢が少ないことも問題の1つです。
そのため、いわゆる“赤ら顔難民”と呼ばれる方々が生まれています。

赤みの原因を正しく見極めないまま内服薬やレーザー治療をすると、良くならないばかりか、かえって悪化させてしまう可能性もあります。

まずは赤みの原因を適切に診断してもらい、そのうえで自分の肌に合った治療やケアを選ぶことが、改善への第一歩です。

ニキビやアトピー性皮膚炎と間違われることも…酒さと誤診されやすい疾患

酒さと似て赤みの生じる疾患には以下のようなものがあります。

  • アトピー性皮膚炎
  • 接触皮膚炎
  • 口囲・眼囲皮膚炎
  • 尋常性ざ瘡(ニキビ)
  • 脂漏性皮膚炎

これらは症状によっては酒さと区別がつきにくく、「赤いから酒さかも?」と思って受診する方も少なくありません。

実際には別の病気が原因となっていることも多いため、まずは正しく診断してもらうことが治療のスタート地点。

正しい診断を受けることで、不要な治療や遠回りを避け、最短ルートで自分に合った治療にたどり着くことができます。


赤みの原因が「ニキビダニ」の場合|常在菌トラブルの可能性も

正しい診断が大切なのは、赤みの背景には複数の要因が絡んでいるからです。その中でも近年注目されているのが「ニキビダニ」です。

ニキビダニは酒さの独立した原因ではなく、紫外線や温熱アレルギー血管拡張や肌質などと並ぶ“悪化要因の1つ”と考えられています。

誰の肌にもいるニキビダニで炎症が起こるメカニズム

赤みの原因は、ニキビダニが関与しているケースも少なくないです。ニキビダニとは、皮脂腺や毛穴にすみつく常在の微生物の一種

ニキビダニと聞くと驚く方も多いかもしれませんが、実際には誰の皮膚にも存在しており、それ自体は異常ではありません。ただし、大量に増殖すると赤みやかゆみなどの肌トラブルにつながることがあります。

基本的には、エサとなる皮脂が多いとニキビダニが増える傾向にあります。しかし、皮脂の少ない乾燥肌の方でも増えることがあり、なぜ増殖するのかはまだ明確に解明されていません。メイク汚れや皮脂が落としきれていない状態が続くと、増殖を助長する可能性はあるといえます。


ニキビダニによる赤みにどう対処する?咲くらクリニックのアプローチ

ニキビダニは非常に小さく、どのくらい増殖しているかは肉眼では判断できません。そのため、ニキビダニによる赤みかどうかを正確に診断できるクリニックは限られています。

では、咲くらクリニックでは、どのように赤みの原因をどのように診断しているのでしょうか。

皮膚にいるニキビダニを直接採取して診断できるのが当院の強みです。

ピンセットで皮膚から押し出すようにして採取し、顕微鏡で可視化します。寄生の程度を確認したうえで、まずは外用薬と内服薬を組み合わせて殺虫し、ニキビダニを減らしてからレーザー治療などによる赤みへのアプローチへと進みます。

赤みの治療は「いきなりレーザー」ではなく、まず原因を特定することが最初のステップ

ニキビダニを含め、赤みの背景にある要因を見極められる咲くらクリニックだからこそ、一人ひとりに合った治療が可能なのです。


血管が原因の赤み|“毛細血管拡張症”の可能性に注目

顔の赤みは、必ずしも皮膚の炎症や常在菌トラブルだけが原因ではありません。実は「血管の状態」が影響しているケースもあり、その代表が「毛細血管拡張症」です。

見た目は酒さと似ている毛細血管拡張症ですが、原因や治療のアプローチは異なります。次では、血管が関わる赤みの特徴について解説します。

見た目が似ていても酒さとは別物?毛細血管拡張症の特徴

毛細血管拡張症とは、皮膚表面の毛細血管が広がり、網目状に浮き出て見える症状です。拡張した毛細血管が元に戻らず、皮膚から透けてしまうことで赤みが生じます。

酒さと混同されやすいですが、大きな違いは自覚症状の有無です。

※画像提供:NERO DR.BEAUTY

多くの場合は、まず原因を抑えるプレ治療からスタート。
内服外用治療により赤みの原因を抑えてから、赤みの原因にアプローチするレーザー治療などに進みます。

※画像提供:NERO DR.BEAUTY

STEP1.内服外用治療【原因を抑えるためのプレ治療】
STEP2.レーザー治療など【赤み治療本番】
STEP3.維持治療【細かな赤みを取り除きよりきれいな肌を目指す】

しかし、毛細血管拡張症は「拡張した血管そのもの」が赤みの原因のため、プレ治療を行わずにレーザー治療へ進むのが基本です。

レーザー治療は血管にピンポイントでダメージを与えることで消退を促し、赤みの目立たない肌へ導きます。


顔の赤み治療は正しい診断から!

顔の赤みは、原因によってアプローチが異なります。見た目だけで判断すると、誤診や治療のズレが生じやすく、症状が改善しないまま悩みを抱えることにもなりかねません。

まずは顔の赤みの原因を正確に見極めることが、改善への第一歩です。診察を受け正しい診断に基づいた治療をスタートすることが、改善への最短ルートといえるでしょう。


繰り返す赤みに悩まれている方も、治療法を見直すことで、症状の改善は十分に期待できます。
一人で抱え込まず、まずは咲くらクリニックに相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は、医師監修美容医療メディア「NERO DR.BEAUTY」様より、許可を得て転載・一部引用しています。

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