院長ブログ

【症例紹介】尋常性白斑(Vitiligo vulgaris)に対するタクロリムス外用の有効例

2025.11.13

【症例紹介】尋常性白斑(Vitiligo vulgaris)に対するタクロリムス外用の有効例

尋常性白斑(Vitiligo vulgaris)

■疾患の概要

尋常性白斑は、後天的に皮膚の色素が脱失する慢性炎症性疾患であり、難治性皮膚疾患の一つに数えられます。
自己免疫機序が主な病態に関与するとされ、表皮メラノサイトが自己免疫的に破壊されることにより脱色素斑が形成されます。


■治療の基本方針

治療の第一選択は外用ステロイド薬であり、特に限局型や発症初期の症例に有効性が報告されています。
しかし、全例に十分な効果が得られるわけではなく、反応不良例や副作用懸念例では次の選択肢として光線療法(ナローバンドUVBなど)が推奨されます。


■症例経過

本症例では、ステロイド外用に反応せず、光線療法を併用したものの病変の拡大を認めたため、免疫調整外用薬タクロリムス(プロトピック®)を導入しました。
その結果、約1年の外用により明らかな色素再生を認めました。


■治療メカニズムと課題

タクロリムス外用は、T細胞活性化の抑制および炎症性サイトカイン(IL-2、IFN-γなど)の抑制を介してメラノサイトの破壊を防ぎ、色素再生を促すとされています。
欧米では小児および成人白斑に対する標準治療の一つとして位置づけられていますが、日本では現在のところ保険適応外となっている点が課題です。

(出典:咲くらクリニックインスタグラム)

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