今日も咲くらで

院長ブログ

2022.10.23

診療室から

まぶたの痒みが治らない。プレドニン眼軟膏やネオメドロール軟膏では治りません。

ここのブログに書いたら今でもヒットする「まぶたの痒み」問題。先日は遠く千葉から来られた方がいらっしゃいました。

 

まぶたの痒みは大変相談が多い症状の一つです。当院は他院の治療で治らなかったという訴えで来られる方が多くを占めます。

 

治らないといって持ってこられるのは決まって「プレドニン眼軟膏」と、「ネオメドロールEE軟膏」です。


プレドニン眼軟膏はまぶたをめくったところに塗る軟膏。この軟膏は皮膚症状を取るには弱すぎます。眼に安全だから、という理由で処方されているのですが効き目が弱くて役にたちません。ネオメドロールも同様。さらにネオメドロールには抗菌剤が入っていてかぶれを起こしやすいことで有名です。ちなみに皮膚科医が嫌う軟膏のひとつです。

 

では何を使うと治るのか。


まずステロイド外用という手があります。まぶたの痒みは炎症ですのでステロイドは効くと思います。しかしなぜかステロイドで治すと繰り返すことが多いのです。僕たちも開院当初はステロイドで治していましたがすぐに再発を繰り返す患者さんが多く、困っていました。

 

そこでいろんなお薬を試した結果、僕たちが15年ほど前にたどり着いた結論は「プロトピック軟膏」外用。これがもっとも良く治り、再発が少ないという結果になりました。今では伝統的に「プロトピック小児用」を使っています。

 

あまりにも皮膚炎が強い場合にはプロトピック単独治療では難しく、ステロイドの「メサデルム軟膏」を1週間ほど使用して充分に炎症を抑えたのちにプロトピック軟膏に移行すると上手くいきます。
プロトピックが刺激があり使えない方には今年新しく発売された「モイゼルト軟膏」を使う手もあります。

 

最近だとコレクチム軟膏を持ってこられる方も多いですね。コレクチムは刺激がなくて良い軟膏なのですが、薬効がとても弱いのが欠点。JAK阻害薬の良さが出ないくらい濃度が薄いんです。まぶたへの効果はプレドニン眼軟膏よりはマシですが、プロトピックよりも効かない、というのが私たちの評価です。

 

まぶたの痒み問題。お困りの方はどうぞご相談ください。

 

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