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その顔のぶつぶつはニキビじゃないかも…|皮膚科を受診するタイミングとは

2025.06.05

その顔のぶつぶつはニキビじゃないかも…|皮膚科を受診するタイミングとは

顔にぶつぶつとした肌荒れができてしまうと、多くの方が「ニキビ」だと思い込みがちですが、実はそうとは限りません。

ニキビ以外にも見た目が似ている皮膚トラブルが数多く存在するため、それぞれに合った対処法が必要です。

本記事では顔のぶつぶつを見分ける方法や、皮膚科を受診すべきタイミングなどをまとめてご紹介します。

顔のぶつぶつ=必ずしもニキビじゃない

顔にぶつぶつとしたできものができると、ニキビだと思い不安になる方も多いのではないでしょうか。

実は、いくら見た目が似ていても、ニキビ以外の皮膚トラブルが起こっている可能性は十分に考えられます。

原因が別にあるにもかかわらず間違ったケアをしてしまうと、場合によっては症状が悪化してしまう可能性もあるでしょう。

まずはこの後の見出しでご紹介するぶつぶつの原因について正しく理解し、ニキビ以外の原因を疑ってみることが大切です。

関連記事:ニキビじゃないかも?赤み・ぶつぶつの正体

ニキビじゃない場合に考えられる顔のぶつぶつの原因

顔のぶつぶつは、ニキビ以外にもさまざまな原因が考えられます。

以下に挙げた7種類はあくまでも代表的なものですが、ニキビの症状と似ており間違えやすいため、事前に理解しておきましょう。

  • 稗粒腫(はいりゅうしゅ)
  • 粉瘤(ふんりゅう)
  • 毛嚢炎(もうのうえん)
  • あせも・汗かぶれ
  • 接触皮膚炎
  • みずいぼ
  • 顔ダニによる発疹

それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。

稗粒腫

直径1~2mm程度の、白くポツポツとした発疹が特徴です。

顔の中でも目元や頬など皮膚が薄い場所にできやすく、目の周りにできると異物感や目の閉じにくさを感じる場合もあります。

できものの中には古い角質が溜まっており、痛み等はないものの、完治までに時間がかかりやすい点にも注意が必要です。

粉瘤

毛穴から出た皮脂や角質が皮膚の中に溜まり、大小さまざまな大きさのしこりができるものです。

大きくなると腫れや痛みを生じることもあり、一度皮脂を排出した後も皮下が袋状になって残るため、再発しやすいといった特徴があります。

毛嚢炎

毛穴の中に細菌が入り込み、炎症を起こすことで赤み・痛み・かゆみなどを生じるものです。

毛穴に沿ってでき、他の部分にはできないため、比較的見分けがつきやすいです。

カミソリでの剃毛や医療脱毛・美容脱毛などを受けた後に起こることもあります。

あせも・汗かぶれ

汗腺が詰まって汗が排出されなくなり、赤みやかゆみを伴うぶつぶつができる疾患です。

できもののサイズは小さめで、首の後ろや背中・脇など汗が溜まりやすい部位にできやすいことが特徴です。

大人はもちろん、赤ちゃんや小さな子どもも頻繁に起こりやすいため、高温多湿になる時期は注意が必要です。

接触皮膚炎

赤み・かゆみ・痛み・皮むけなどさまざまな症状が該当し、原因も多岐に渡ります。

化粧品や洗剤といった刺激物に触れて起こるものや、アレルゲンに触れることで起こるものが代表的であり、顔の場合は金属製ピアスによるかぶれや花粉症による炎症がよく見られます。

原因となる物質を取り除かなければ症状が続くため、場合によってはアレルギー検査などが必要となります。

みずいぼ

伝染性軟属腫ウイルスによって起こり、半透明のぶつぶつが広範囲に見られます。

基本的な症状はかゆみであり、周囲にうつりやすいため、子どもの学校生活などでは特に注意が必要です。

顔ダニによる発疹

私たちの顔には「顔ダニ(毛包虫)」が棲んでいますが、これらが過剰に増殖することによって炎症が起こるとぶつぶつができる場合があります。

顔ダニは皮脂の多い場所を好むため、鼻や額・頬などに症状が現れます。

ニキビよりも広範囲に広がりやすいため、医薬品の使用やスキンケアの見直しをするとともに、脂質の多い食事をやめるなど生活習慣を改めなければなりません。

自分の顔のぶつぶつはどのタイプに当てはまる?

ぶつぶつの正体を知るには、まず見た目や内容物に注目し、症状別に当てはまるものをチェックすることが大切です。

医療機関を受診する際も、このような情報が必要となる場合が多いため、日頃から自分の顔をよくチェックしておきましょう。

顔のぶつぶつの種類

赤く腫れあがっている

赤く腫れあがっている状態は、丘疹や膨疹が該当します。

丘疹の場合は比較的小さく丸みを帯びた盛り上がりですが、膨疹は平たく、周囲がむくんだように見えます。

水ぶくれ状

水ぶくれになっており、中に何かが入っている様子のものは、水疱や膿疱が当てはまります。

つぶれたぶつぶつの中身を見てみると、水疱の場合は水のように透明な体液が入っていますが、白や黄色の膿が入っている場合は膿疱です。

平らで赤いだけ

盛り上がりがなく赤みを帯びているだけの場合、皮膚の色が変化した「紅斑」である場合がほとんどです。

この他にも紫になる「紫斑」や茶色になる「色素斑」があります。

大きなしこり

10mm以上の大きなしこりがある場合、結節や腫瘤を疑う必要があります。

小さなぶつぶつができる丘疹に対し、結節や腫瘤は皮膚の深い部分から盛り上がっており、触ると硬さを感じます。

これらは自己判断でケアするよりも、医療機関で正しい処置を行うことが大切です。

ニキビじゃないかも?顔のぶつぶつで皮膚科を受診するタイミングとは?

初期のニキビであれば、正しいセルフケアで症状が改善する可能性もゼロではありません。

しかし重度のニキビであったり、ニキビ以外のぶつぶつができていたりする場合は、皮膚科を受診し正しいケアを受けましょう

下記に挙げた5つのポイントに当てはまる場合は、なるべく早い段階で皮膚科を受診しましょう。

  • セルフケアで治らない
  • 症状が長引く・悪化している
  • 水ぶくれや膿などの特殊な発疹がある
  • 頻繁に繰り返す
  • きわめて広範囲にできている

それぞれのポイントについて詳しくご紹介します。

セルフケアで治らない

洗顔や化粧品を見直したり、市販薬を使ったりといったセルフケアでも改善しない場合は、専門の治療が必要なサインです。

処方薬を使用した治療を受けるとともに、原因を正しく知り、今後の生活についてもアドバイスを受けましょう。

症状が長引く・悪化している

数週間経っても改善しない症状がある場合や、むしろ悪化していると感じる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

ぶつぶつを放置してしまうと繰り返しできるようになったり、その部分が色素沈着を起こしシミのように残ってしまったりするリスクがあります。

水ぶくれや膿などの特殊な発疹が見られる

水疱や膿疱ができている場合、その部分が炎症を起こしていたり、感染症が原因であったりする可能性があります。

患部を清潔にするとともに、医療機関にて抗炎症剤などの処方を受ける必要があります

頻繁に繰り返す

一度治ってもその後に繰り返し出てくる症状がある場合は、表面的なケアではなく、根本的な原因の特定が必要です。

医療機関では問診のほか、触診やマーカーなどさまざまな方法で原因を探ることができ、原因に合った正しい治療法を受けられます。

きわめて広範囲にできる

顔の一部にできていたぶつぶつが次第に広がってしまったり、顔全体や首・身体にまで及んでいたりする場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

アレルギー反応によるぶつぶつなどの場合、赤みやかゆみ以外にも重篤な症状を引き起こす場合があります。

まとめ

顔のぶつぶつを全てニキビと決めつけるのは危険です。

似ていても全く別の疾患である可能性があり、誤ったケアを行うことで悪化してしまうこともあるでしょう。

セルフケアで改善しない場合や、症状が繰り返す場合は、早めに皮膚科の受診を検討することが大切です。

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