院長ブログ

小鼻や鼻の横が痒い原因と治し方を皮膚科医が解説

小鼻や鼻の横が痒い原因と治し方を皮膚科医が解説

「鼻の横がカサカサする」

「鼻の横がかゆい」

「鼻の横が赤い」

など、いろいろと相談内容はありますが、当クリニックでは上記の症状はほとんど同じものと考えています。

本記事では、小鼻を中心とした鼻の周りのかゆみについて詳しく解説します。

小鼻 かゆい

小鼻や鼻の横のかゆみが治らない原因

鼻の横のかゆみやカサカサには大体どこの皮膚科でも弱めのステロイドが処方されるのですが、実はこれが治らない元凶かもしれません。

かゆいとかカサカサしていると湿疹の一種と考える先生が多いですね。だからよくステロイドが処方されるのです。

小鼻や鼻の横のカサカサの原因

小鼻や鼻の横のカサカサについて、私自身が苦悩したお話しをします。

カサカサの原因は脂漏性皮膚炎?

あるいは鼻の横は皮脂が多いので皮脂+カサカサ=脂漏性皮膚炎と考える先生もいます。従って脂漏性皮膚炎の定番である抗真菌剤(ニゾラールなど)が出されることも多いです。

私も昔は鼻の横のカサカサはみんなと同じように脂漏性皮膚炎と考えていました。でもなかなかスッキリよくならない。

【仮説】マラセチア(皮膚の常在菌)ではなく他の菌が原因

さて、当クリニックは口囲皮膚炎(酒さの一種)の患者さんがとても多いのですが、その治療中に鼻の横のカサカサやかゆみがすっかりなくなることにある日気づきました。

もしかして鼻の横のカサカサは脂漏性皮膚炎ではなく口囲皮膚炎の一種なのでは?従来からいわれているマラセチア(皮膚に常在するカビの一種)が関わっているのではなく、他の細菌が関わっているのではないか?と考えるようになり、それ以降、鼻の横のカサカサ、かゆみには抗菌剤を中心とした口囲皮膚炎と同じ治療を開始しました。

口囲皮膚炎の治療で改善するケースも

これまでニゾラールのような抗真菌剤を使ってもなかなか治らず治療にとても苦労していた鼻の横のかゆみ、カサカサがどんどん治ります。大体2週間から4週間ですっかり治ってしまいます。

どの細菌が関わっているのか、あるいは本当に細菌が関わっているのかどうか、詳しいことは証明はできていませんが、鼻の横のかゆみやカサカサにステロイドやニゾラールを処方しても繰り返すばかりで治らなかったものが、「口囲皮膚炎だと考えて抗菌剤で治すのが早道だ」ということがわかりました。

【余談】鼻の下が赤い原因と対処法

最後の項目、「鼻の下が赤い」の治療法ですが、赤色というのは人間の体の場合「血液の色」です。

つまり赤いというのは血液を通す血管が多いということ。鼻の下の赤みの正体は毛細血管です。

毛細血管は外用剤ではもちろん治せず、器質的なものですから破壊しないと治りません。壊すには血管用のレーザーが必要です。

血管に効くレーザーはいろいろありますが、通常はVbeam(ブイビーム)という血管専用のレーザーを用います。しつこい場合はロングパルスYAGレーザーを用いる場合もあります。

レーザーを照射すると血管は皮膚内部で焼け、消失します(基本表面にはダメージがありません)。しかし、血管は生き物と同じで、またすぐに新生され立ち上がってきます。

レーザー照射は大変有効ですが、照射をやめると再発しやすいのが「鼻の下の赤み」の特徴です。

ですから鼻の下の赤みは治療が可能であるが再発しやすいことを理解し、再発することを前提で治療に臨むことが大切です。

まとめ

小鼻や鼻の横のかゆみ・カサカサでお悩みでしたら、ぜひ咲くらクリニックまでご相談くださいませ。

最近はインスタへの投稿の方が多いので、こちらもぜひご覧ください。

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