院長ブログ

「まぶたのかゆみが治らない」とお悩みの方へ|おすすめの外用薬を紹介

「まぶたのかゆみが治らない」とお悩みの方へ|おすすめの外用薬を紹介

多くの方が悩まれている「まぶたのかゆみ」問題。先日は遠く千葉から来られた方がいらっしゃいました。まぶたの痒みは大変相談が多い症状の一つです。

本記事では、なかなか治らないまぶたのかゆみの対処法をご紹介します。

「プレドニン眼軟膏」「ネオメドロールEE」は効かない

当院は他院の治療で治らなかったという訴えで来られる方が多くを占めます。

治らないといって持ってこられるのは決まって「プレドニン眼軟膏」と、「ネオメドロールEE軟膏」です。

プレドニン眼軟膏はまぶたをめくったところに塗る軟膏。この軟膏は皮膚症状を取るには弱すぎます。眼に安全だから、という理由で処方されているのですが効き目が弱くて役にたちません。

ネオメドロールも同様。さらに、ネオメドロールには抗菌剤が入っていてかぶれを起こしやすいことで有名で、皮膚科医が嫌う軟膏のひとつです。

まぶたのかゆみをとる方法

では、まぶたのかゆみは何を使うと治るのか。

ステロイド

まずステロイド外用という手があります。まぶたのかゆみの多くは炎症ですのでステロイドは効くと思います。しかし、なぜかステロイドで治すと繰り返すことが多いのです。

私たちも開院当初はステロイドで治していましたが、すぐに再発を繰り返す患者さんが多く、困っていました。

プロトピック軟膏

そこでいろいろなお薬を試した結果、私たちが15年ほど前にたどり着いた結論は「プロトピック軟膏」の外用。

これが最もよく治り、再発が少ないという結果になりました。今では伝統的に「プロトピック小児用」を使っています。

あまりにも皮膚炎が強い場合にはプロトピック単独治療では難しく、ステロイドの「メサデルム軟膏」を1週間ほど使用して、充分に炎症を抑えたのちにプロトピック軟膏に移行すると上手くいきます。

モイゼルト軟膏

プロトピックの刺激が強く、使えない方には近年新しく発売された「モイゼルト軟膏」を使う手もあります。

最近だとコレクチム軟膏を持ってこられる方も多いですね。コレクチムは刺激がなくて良い軟膏なのですが、薬効がとても弱いのが欠点。

JAK阻害薬(※)の良さが出ないくらい濃度が薄いです。まぶたへの効果はプレドニン眼軟膏よりはマシですが、プロトピックよりも効かない、というのが私たちの評価です。

※JAK阻害薬:関節リウマチやアトピー性皮膚炎など、炎症性疾患の治療に用いられる内服薬または外用薬

まとめ

ここまで登場した外用薬についてまとめると、下記のとおりとなります。

薬剤名

主な成分・分類

効果の強さ

特徴・メリット

デメリット・注意点

医師の評価・推奨度

プレドニン眼軟膏

ステロイド(弱い)

弱い

眼に安全、刺激が少ない

皮膚症状には効果が弱すぎる。まぶたのかゆみには役立たない

推奨されない

ネオメドロールEE

ステロイド+抗菌剤

弱い

抗菌作用あり

効果が弱い。抗菌剤によるかぶれを起こしやすい。皮膚科医に不評

推奨されない

ステロイド外用薬

ステロイド(中等度以上)

中等度~強い

炎症を抑える力が強い。短期間で症状を抑えやすい

繰り返しやすい。長期使用で副作用リスク

補助的に短期間使用

プロトピック軟膏

タクロリムス(免疫抑制剤)

強い

再発が少ない。最もよく治る。長期的な管理に適している

刺激感が出ることがある。強い皮膚炎時は単独使用が難しい

最も推奨される(特に小児用)

モイゼルト軟膏

PDE4阻害薬

中等度

新薬。プロトピックが使えない場合の選択肢。刺激が少ない

効果はプロトピックよりやや弱い

プロトピックが使えない場合に推奨

まぶたのかゆみで悩んだら、ぜひ咲くらクリニックまでご相談くださいませ。

最近はインスタへの投稿の方が多いので、こちらもぜひご覧ください。

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