院長ブログ

赤ら顔の原因、見落とされがちなもう一つのポイント

2025.12.26

赤ら顔の原因、見落とされがちなもう一つのポイント

赤ら顔の正体。

「ニキビダニ」ともう一つの主犯格について

普段、僕はインスタやブログを通じて「治らない赤ら顔の背景には、ニキビダニの増殖がある」と繰り返しお伝えしています。
実際に、ニキビダニを治療することで劇的に改善する赤ら顔は非常に多いです。

しかし、ニキビダニさえ退治すれば全ての赤みが消えるのか?と問われれば、答えはNoです。
臨床の現場でVISIAなどの画像解析を行うと、見逃してはならない「もう一つの犯人」が浮かび上がってきます。
それが「アクネ菌」です。


✅ 「ニキビがない」のに「アクネ菌で赤い」

「先生、私はニキビなんて出来ていません。ただ顔が赤いだけです」
そうおっしゃる患者様の肌を特殊なUVライトで撮影すると、驚くべき光景が広がっていることがあります。

この画像のオレンジ色の点は、アクネ菌が出す代謝物(ポルフィリン)です。
一見、ニキビ(丘疹や膿疱)がない部分でも、毛穴の奥にアクネ菌が潜み、高密度で活動していることがわかります。


✅ なぜアクネ菌で「顔が赤く」なるのか?

ここで重要なのは、「アクネ菌=ニキビを作る菌」という単純な図式だけではないということです。
アクネ菌は皮脂を分解する過程で、皮膚にとって刺激となる物質(遊離脂肪酸など)を撒き散らします。これが肌内部で「見えない炎症」を引き起こし、その防御反応として毛細血管が開きます。

つまり、

  1. アクネ菌が毛穴で代謝活動を行う
  2. その代謝物が周囲の組織を刺激する
  3. 炎症により毛細血管が拡張する
  4. 結果、顔全体が赤く見える

というメカニズムです。ニキビという「点」の症状がなくても、アクネ菌の活動性が高ければ「面」としての赤み(紅斑)が生じるのです。


✅ 赤ら顔治療の「死角」をなくす

従来からお話ししているように赤ら顔にはニキビダニが原因の赤みもあれば、アクネ菌由来の炎症による赤みもあり、多くの場合はこれらが混在しています。

「ニキビダニ治療をしているのに、あと一歩赤みが引ききらない」
そのようなケースでは、この画像のようにアクネ菌が潜伏し炎症を起こし続けている可能性があります。

当院では、ニキビダニの検査・治療はもちろんですが、VISIA等の画像診断を用いて「アクネ菌のリスク」も可視化し、細菌レベルでのアプローチを組み合わせることで、難治性の赤ら顔治療に取り組んでいます。


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以下は専門家向け。赤みが出るメカニズムです。

1. 遊離脂肪酸による細胞毒性と炎症惹起
アクネ菌のリパーゼ活性により、皮脂中のトリグリセリドが分解され、遊離脂肪酸が生成されます。これが表皮角化細胞や真皮に対して直接的な炎症刺激となり、非特異的な炎症を引き起こします。

2. 自然免疫の活性化と血管新生
アクネ菌はTLR-2を介して炎症性サイトカイン(IL-1α, IL-8, IL-12, TNF-α等)の産生を誘導します。これらのサイトカインは血管内皮細胞に作用し、血管拡張および血管新生を促進します。

(出典:咲くらクリニックインスタグラム)


最近はインスタへの投稿の方が多いので、こちらもぜひご覧ください。

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