重症円形脱毛症に対してJAK阻害薬「オルミエント」が国内でも承認になりました。 これは画期的。
先日、当院のインスタグラム内で、 アメリカでJAK阻害薬「バリシチニブ」(商品名オルミエント)が重症の円形脱毛症に対して承認を得た、との話題を書きました。国内での承認も近いと思われてい
記事を読む円形脱毛症は、髪をつくる毛根に免疫の反応が起こり、髪が抜ける病気です。脱毛斑が1つだけのこともあれば、頭全体が抜ける全頭脱毛症や、眉毛や体の毛まで抜けることもあります。当院では、脱毛の範囲や進み方、年齢を診て、主に保険診療で治療しています。
疲れやかぜ、出産、ストレスなどがきっかけになることもありますが、はっきりしたきっかけがないことも多い病気です。甲状腺の病気などを合併することがあるため、必要に応じて血液検査を行います。
診察では、脱毛の範囲や広がり方に加えて、眉毛や体の毛、爪も診ます。頭皮のかびの感染(頭部白癬)や、ほかの脱毛症とも見分けます。
脱毛斑が1つか数個で、抜け始めてから1年たっていないときは、様子をみる選択もあります。自然に生えてくることも多い一方で、広がることもあるため、経過を診ます。治療をする場合は、ステロイドの塗り薬が基本で、カルプロニウム塩化物(フロジン)という塗り薬を合わせることもあります。
脱毛した所に、治療用の紫外線を当てる治療で、光線療法とも呼ばれます。エキシマレーザーやエキシマライト、ナローバンドUVBという機器を使います。週1〜2回ほど通っていただき、赤みの出方を見ながら、当てる量を調整します。照射の間があくと、効果が出にくくなります。
半年〜1年ほどで効果を確かめ、続けるか、ほかの治療に切り替えるかを決めます。紫外線療法は、機器のある安城本院と札幌院で行っています。
塗り薬で効果が不十分なときは、脱毛した所に、ステロイドを注射することもあります。注射には痛みがあり、1回に注射できる量にも限りがあります。お子さまには、原則として行いません。
塗り薬や注射で効果が不十分で、急に広い範囲が抜けてきた大人には、ステロイドの飲み薬を短い期間使うことがあります。やめると再び抜けやすく、副作用もあるため、使うかは慎重に決めます。
頭の半分以上が抜けたまま、半年ほど生えてこない場合は、JAK阻害薬という飲み薬も保険で使えます。年齢(12歳以上)などの条件があります。病気を治しきる薬ではなく、やめると再び抜けることがあります。
発毛には時間がかかり、生えてきても再発することがあります。どの治療にするかは、続けやすさも含めて一緒に決めます。ウィッグ(かつら)を使いながら、治療を続けることもできます。見た目や生活で困っていることも、お聞かせください。
広い範囲の脱毛が長く続くときは、局所免疫療法を行うことがあります。SADBEという薬を脱毛した所に塗り、わざと軽いかぶれを起こして、発毛を促す治療です。SADBEは国内では承認されていない薬で、この治療には保険が使えません。くわしくは、下の「国内で承認されていない薬について」をご覧ください。
はじめに濃い液を1回塗り、2〜3週間後から、薄い液を1〜2週間に1回塗ります。液の濃さは、かゆみの出方を見て調整し、生えてきてからも3〜4週間に1回ほど続けます。塗れば必ず生えるわけではなく、生えてきても、再び抜けることが少なくありません。かぶれが強く出ることもあります。
赤みやふけが強いときは、かびの感染など、円形脱毛症ではない病気のこともあります。
| 保険適用(費用の目安) | 診察・検査、塗り薬、紫外線療法は保険診療です。ステロイドの注射と飲み薬は、塗り薬で効果が不十分な、広い範囲の脱毛に保険で使えます。JAK阻害薬も、条件を満たせば保険で使えます。自己負担は、保険の負担割合によります。局所免疫療法(SADBE)には、保険が使えません |
|---|---|
| 主な症状 | 円形や楕円形の脱毛。頭全体(全頭脱毛症)や、眉毛・まつ毛・体の毛まで抜けることもあります |
| 主な治療 | 塗り薬(ステロイド・カルプロニウム塩化物)、紫外線療法。塗り薬で効果が不十分な、広い範囲の脱毛には、ステロイドの注射と飲み薬、JAK阻害薬。局所免疫療法(SADBE・国内未承認) |
| 通院の目安 | 紫外線療法は週1〜2回、ステロイドの注射は4〜6週に1回ほど、局所免疫療法は1〜2週間に1回ほど。紫外線療法は半年〜1年、JAK阻害薬は半年ほどで効果を見直します |
| 受診の目安 | 脱毛が短いあいだに次々と広がっている、眉毛やまつ毛も抜けてきた、頭皮の赤みやふけが強い |
| 紫外線療法を受けられない方 | 皮膚がんにかかったことがある方、放射線治療やヒ素の治療を受けたことがある方、日光に強く反応する体質(光線過敏症)の方など |
| 診察でお伝えください | 妊娠中・授乳中の方、使っている薬(飲み薬・塗り薬・貼り薬)や持病がある方、アトピー性皮膚炎のある方、結核やB型肝炎にかかったことがある方、心臓ペースメーカーや植込み型除細動器など、体に植え込む電子機器を使っている方(紫外線療法は、機器によっては受けられません) |
| 受診できる院 | 安城本院・新宿南口・大阪院・札幌院(紫外線療法は安城本院・札幌院) |
未承認であること:スクアリン酸ジブチルエステル(SADBE)は、国内で医薬品として承認されていない物質です。
入手経路:当院の医師の判断のもと、個人輸入しています。個人輸入については、厚生労働省の「個人輸入において注意すべき医薬品等について」をご覧ください。
国内の承認品:同じ成分で、国内で承認された医薬品はありません。円形脱毛症には、成分の異なる薬が承認されています。
海外での状況:米国FDAでも、医薬品としては承認されていません。
救済制度:万一重い副作用が起きた場合も、医薬品副作用被害救済制度の対象にはなりません。
施術の特徴や経過を、院長ブログでご覧いただけます。
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