背中の湿疹の原因は色素性痒疹かも|ステロイドが効かない皮膚炎の治療法
開業してもう19年目になりますが、ごく稀にしか目にしない皮膚炎があります。背中の湿疹が治らない原因は色素性痒疹かも一昨年までに診た人数はたったの3人。このブログで書いたらこの2年でちょ
記事を読む色素性痒疹(しきそせいようしん)は、かゆみの強い赤いぶつぶつがくり返し出て、網目のような茶色い跡を残す皮膚の病気です。見た目が湿疹に似ていて、ステロイドの塗り薬を使ってもよくならずに、受診される方もいます。当院では、発疹の形と最近の食事の変化から診断し、保険診療で治療します。
ぶつぶつは背中や胸、首のまわりに出やすく、小さな水ぶくれができることもあります。赤みは数日で引きますが、引いたところが茶色くなり、網目のような模様に見えます。同じところに何度もくり返し出てくるのも、この病気の特徴です。春から夏にかけて多く、10代から20代の女性によくみられますが、男性やほかの年代の方にも起こります。
病名に「痒疹(ようしん)」とついていますが、ほかの痒疹とは成り立ちが違うと考えられています。原因は、まだはっきりしていません。よく知られたきっかけは、体の中でケトン体が増える「ケトーシス」です。ケトン体は、糖質が足りないときに、体が脂肪を分解してエネルギーに変えるとできる物質です。
ケトーシスは、糖質を控えるダイエットや、食事を抜いたり減らしたりしたときに起こりやすくなります。長く激しい運動や、糖尿病で血糖のコントロールが悪いときにも起こります。汗や、衣類でこすれる刺激で、ぶつぶつが悪くなることもあります。ただ、はっきりしたきっかけが見つからない方も少なくありません。
診察では、ぶつぶつの形と並び方、網目のような跡、出ている場所を診て、湿疹やかぶれ、じんましんなどと見分けます。最近の食事や体重の変化、運動、糖尿病があるかどうか、これまでに使った薬もうかがいます。赤いぶつぶつは数日で引くこともあるため、出ていたときの写真があれば見せてください。
色素性痒疹には、ステロイドの塗り薬があまり効かないことが知られています。当院では、主にミノサイクリンという抗菌薬の飲み薬で治療します。ミノサイクリンを色素性痒疹に使うのは、国が承認した使い方に入りません。くわしくは、下の「ミノサイクリンの飲み薬と、国の承認について」をご覧ください。
食事の制限がきっかけのときは、糖質を控える食事や食事を抜くことを、いったんやめていただきます。ご飯やパンなども含めて、食事をきちんととるようにしてください。糖尿病などの治療で食事の指導を受けている方は、自分で食事を変えずに、主治医にご相談ください。
塗り薬でよくならないときや、次のようなときは、早めに受診してください。
糖尿病の治療中に出てきたときは、血糖の状態が関わっていることもあります。糖尿病の主治医にもお伝えください。
| 費用の目安 | 保険診療(自己負担は、保険の負担割合によります) |
|---|---|
| 主な症状 | 背中・胸・首の、かゆみの強い赤いぶつぶつ。おさまったあとに、網目のような茶色い跡が残ります |
| 主なきっかけ | 糖質を控えるダイエット、食事を抜く・減らす、長く激しい運動、糖尿病など。きっかけがはっきりしないこともあります |
| 主な治療 | 抗菌薬のミノサイクリンの飲み薬(色素性痒疹に使うのは、国が承認した使い方に入りません)と、食事の見直し |
| 通院の目安 | 決まった回数はありません。再診で、ぶつぶつの出方と副作用を診て、飲み薬を続ける期間を決めます |
| 受診の目安 | 塗り薬でよくならない、かゆみで眠れない、何度もくり返し出てくる |
| 診察でお伝えください | ミノサイクリンなどの抗菌薬でアレルギーを起こしたことがある方、妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方、腎臓や肝臓の病気がある方、糖尿病の治療中の方、薬を飲み込みにくい方、ほかに飲んでいる薬やサプリメント(ピル・鉄剤・胃薬など)がある方 |
| 受診できる院 | 安城本院・新宿南口・大阪院・札幌院 |
承認外の使い方であること:ミノサイクリンは国内で承認された医薬品ですが、色素性痒疹の治療への使用は承認されていません。
入手経路:国内の正規の流通経路で購入しています。
国内の承認品:ミノサイクリンは、細菌による皮膚の感染症などの治療に承認されています。
海外での状況:米国でも、色素性痒疹の治療を目的とした承認は確認できません。
救済制度:承認外の使い方のため、万一重い副作用が起きた場合も、救済制度の対象にならない場合があります。
施術の特徴や経過を、院長ブログでご覧いただけます。
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